3tbのパイについて
■3tbにおけるパイの話として
現状、現役といえる中級者以上のパイのプレイヤーは私とふぁみおじ氏ぐらいかと
思いますが、万が一この後パイを使ってみたいという方向けに。
パイの現役プレイヤーが少ないこともあり、非常に情報量が少ないのが現状です。
少しでも目に入って「そうなんだ!」と思うことがあれば幸いです。
■0.前置き
3tbの知識、格ゲーの知識が最低限はあることが望ましいです。
分からないことは直接聞いて頂ければ答えられる範囲で答えます。
(Twitter/ミカド現地)
■1.用語
・フレームは基本fで記載します
・x/y/zとフレームを記載する時はガード/ノーマルヒット/カウンターヒット時の数値です
・ノーマルヒットはNH、カウンターヒットはCHと記載します
■2.パイの強みについて
・8フレP
軽量級Pですが、カゲも発生8f且つカゲはPPPがNHで-5でパイの-7より
明確に強いです。8fPは強いのですが相手の性能も考慮しましょう
・投げ
70程度のダメージが取れる投げが3種類あります。
26P+G:
立ちPをスカせた場合などに狙っていけますが簡単且つ分かり易いため
投げ抜けされやすいです。適度に違う投げを混ぜましょう。
62P+G:
崩し投げですね。実はこの後の確定するコンボは無いんです。
一応+12f確定なので9KKが理屈上は入るのですが投げ後の姿勢がしゃがみのため
1f余計に掛かってしまい、最速で回復されると間に合いません。
(立ちに掛かる1fが入るため発生に13f掛かる)
そのため、過去の上級者はこの後普通に二択を掛けたりします。
しゃがみダッシュから再度62P+Gと腿登裏旋脚(26K)とかですかね。これ私は出来てません・・・。
3P+G:
一番お手軽(お手軽とは言っていない)な強い投げです。
所謂背後を取るだけの投げですので、その後が問題となります。
基本は以下のコンボになります。
3P+G → Kキャンセル(10f消費)→ (背後)P+G → 半歩歩いてK(ここ、レバー入れっぱなしでも大体大丈夫です)
→ K → 大ダウン
※Kキャンセルしないと投げ有効フレームにならないため。
キャラ問わないため、使い分けの必要がありませんが足位置を見て
K→K→(レバー前入れ)P→小ダウンが最大となるケースがあります。
ただ、額面上「確定」といわれていますが過去の動画を見ても自分でやっても
入らないケースがあるため無理をする必要性は感じません。
軽量級限定で
(1回目の)K → PPP2Kが入ります。これぐらいの使い分けはしても良いかなと思います。
あと背後に回るため、リングアウトが狙えます。(実際には背後P+Gで45度ズレるので真後ろには落とせませんが)
K → K → 66PKや、K → K → 9K → 4P(こっちの方が運ぶ)があります。前者はダメージも取れるので
状況的に確定じゃないかな?という場面で使うと良いと思います。
・腿登裏旋脚
26K(実際には立ち上がり中に6Kなのですが)です。割と速く、姿勢が低く、カウンター時のダメージが取りやすい
のですがしゃがんだ相手にかなりスカります。中段ですが斜め上方向にしか当たり判定が無いと思った方が良いです。
使いどころは後述します。
■3.パイの弱みについて
・軽量級であること
特に対鷹嵐やアキラなどにおいて限定コンボが痛いです。特にアキラは躍歩喰らっただけで三段喰らうこともあるため、
Pを振り回すときは注意しましょう。
・強い中段が無い
ここが最大の弱みです。
3tbにおける(に限らないけど)中段と投げの二択という基本がパイにはあまり成立しません。
実戦で一応使える中段は以下の内容ですがそれぞれ難点があります。
1.6P
12fでよろけない中段。間合いが広いためPをしゃがみダッシュでくぐってくる相手を潰すことはできますが、
牽制以上にはなりません。5fsのような性能でもない(-7/-4/+1)のでバリヤー的にも使えません。
2.3K
他キャラと同じような性能ではあるのですが、よろけさせられる技が「これしかない」のです。
そして14fなので軽い有利fで二択の意味を成さないことが多々あります(PPPに潰されやすい)。
3.9KK
2発目がしゃがまれるとスカります。1発目ガードされた時点で膝確です。
ここで挫折する人が大半じゃないでしょうか。
肘があれば恐らくダイヤグラムの3番目になれたであろうパイですが、如何にこれをカバーして有利な点を出していくかが
ポイントになります。
■4.基本的な立ち回りについて
3tb全般においてそうですが、「これをやっておけば良い」という行動はありません。
行動が偏らないように注意しましょう。
・Pを振る/置いておく
ギリギリ当たるか当たらないかの範囲でPを置きます。
理想は相手の行動をカウンター(+4f)で潰して二択を掛けることですが、ここで中段の弱さが効いてきます。
相手がしゃがんでミドルを喰らってくれることを望みたいところですが、14fなので10f猶予があり難しいところです。
削りに行きたい場合は6Pが無難なところでしょう。投げは勿論OKですが偏らないように。
注意点としては闇雲に振り回すとしゃがみダッシュから二択(タイミングによっては投げられ確)を受けるため、
6Pを最初に振ることも必要になります。
これだけ見るとPを振る意味があまりないように感じますが(簡単に取り返されるダメージしか取れない)、
次に繋がります。
・PPバリエーション
Pを単発で振る場合と、PPまで打つ場合だと大きく行動が変化します。
(共通しているのはしゃがみダッシュに注意すること)
PPのフレームは-3/-1/+3です。ガードされて-3しか無いため、ここから再度Pを振るなど軽量級らしい振る舞いも出来ます。
PPからの行動がパイにとって特に重要になります。
・PPからP~PPP
相手の中心技である中段やダッシュを潰しつつ、主導権を返さない振る舞い。
ガードされた場合はギリギリ相手の最速中段が間に合うことがあるので、多用は禁物です。
・PPから投げ
特に有効なのはヒット時になりますが、「PPPまで繋がれるか、PPで止められるか」という相手の思考の中で、
PPPまで繋がる可能性が高いヒット時はPPで止めて投げに行きやすいシチュエーションになります。
ガード時でも-3fですので相手がPPP2K等を警戒してくれる場合は投げを取れます。
・PPからディレイK
ガードされた場合に特に有効ですが、-3fで相手主導の二択になった際にカウンターがとれます。
この後は概ねPPKが確定となるため(アンジュレーション時は除く)、美味しいダメージソースの1つです。
注意点は当然のように「上段技」であることです。しゃがみダッシュからの二択を掛けてくる人にはスカります。
ディレイの間隔は相手の反応速度に合わせる必要があります。反応が良い人ほどディレイ間隔を詰めます。
・PPからミドル(3K)
ここまででパイ特有の中段の弱さからどうしても相手にしゃがまれることが多くなりがちになることが
見てとれます。唯一大ダメージを取れて二択らしい二択が出来るのがこのPPから3Kです。
相手がPPを嫌がってしゃがみ/しゃがみダッシュ等で打開しようとした際によろけを取れます。
よろけの際の行動は後述します。
以上から、P、PPがパイにとって主要な行動であることが見て取れるかと思います。
一旦、他の行動に続きます。
・PPP
ガード時-8, NH時-7とほぼ投げられ確という状況になります。
じゃぁPPで止めた方が良くない?となりがちですが、PPP2KやPPP7Kを見せることで
相手の二択をこの時点では止めることが出来ます。
PPP2KやPPP7Kはガードされると当然大ダメージを喰らいますが、先に書いたPPのバリエーションを有効に使うためには
「使わない」と思われることはマイナスです。
PPP2K/PPP7Kは完全二択(ディレイをかけなければどちらかは通る)なので、見せるときは見せてください。
PPP2Kをディレイで出すことで相手の二択を阻害することも可能ですが、遅すぎると普通にPPPの時点での-8/-7が
効いて膝なりでも割り込まれますのでこれも相手に合わせて調整してください。
・ミドル(3K)
基本的に単発で出すミドルはなかなか当たってもらえません。14fと遅く、他に速くて強い中段が無いため、
相手はしゃがみからのファジーガードを多用してきます。
多用するとエスケープされやすいため、当てるためには先述のPを振ってしゃがみダッシュを誘うなどの
前提が必要になります。ガード時-5ということで「触っていれば」悪い性能ではなくなります。
単純な二択を避けるために先端ギリギリを当てるように振るということも出来ますが、こればかりやっていると
相手が「ミドルの間合いに入ったから振ってくるな」と認識してしまい、簡単にエスケープされてしまいます。
ワンパターンにならないようにします。
・小ジャンプK(19K) ※9Kに化けやすいので注意
発生19fですし、別段強い技では無いのでは?という技なのですがなんとNHで+8fが取れます。
PPP確定です。
使いどころが難しい(リオンの1Kの確反ぐらい)のですが、下段を振り回す相手には
たまに使っていいかもしれません。下段を避けつつCHなら浮きます。
しゃがんでNHでも強制的に立ち状態にさせるため、NHならPPPが確定します。
・9P
発生は遅いですが、唯一ガード時に有利フレームが取れる(+2)技になります。
しゃがみ技が多くなりがちなリオンやエスケープを多用する人に引っ掛かってくれたらラッキーぐらいで
たまに振って良いと思います。
ガードされたら普通に二択しますが、+2ですので3Kは当たり辛いですね。特にアキラの場合はリモン躍歩が鬱陶しいので、
Pと投げ、人によってはエスケープミドル(3K+E)が良いかと思います。
「自分から動く」場合の行動はこんな感じが基本になります。
■5.立ち回りについて2
ここまで書いたように、パイは自分から動いて大ダメージを取れる技はほとんどありません。
肘、膝やリモン/躍歩、斜上のような強い技がありませんので、「受動的に」動くことも必要になります。
・しゃがみ下がり
所謂「じり下がり」です。パイは軽量級らしい判定のため、若干相手の技がスカり易い傾向にあります。
実際には完全に受動的な行動では無く、自分から動いて不利フレームの際の振る舞いになります。
例えば6Pですが、ジャッキーやサラなどに対し6Pをガードされた後じり下がりをすると
相手のその場からであれば肘をスカすことが出来ます。
先述の腿登裏旋脚(26K)の最大の使いどころになりますが、14fなので完全にスカるのを確認してからだと
遅いです。スカる前提で待ち構えましょう。
肘スカですので投げも当然入ります。数フレ遅れたと思ったら投げの方が良いでしょう。
・雲手
パイの特殊技(6P+K)ですが、相手の技(片手技限定)を受け流して有利フレームを得ることが出来ます。
Pの場合は+8f、中段技の場合は+12fです。どちらも投げ確ですがPPPなど連続技で初弾の場合、投げは止まってしまいますので
その場合はPPPで返す必要があります。(一応6P+K→6P+K→6P+Kみたいなことも出来ますがスキが大きいので止めましょう)
使いどころとしてはしゃがみ下がりと同様で自分から動いて不利フレームを作り、
相手の二択技(肘、リモンなど)に対して使います。
理想を言えば「肘を取れたらK」なのですが(K→K→大ダウン、K→PPKなど)フレームの猶予はほぼ無いので
先ほどの腿登裏旋脚同様に「取れる前提」で動くか、若干猶予のある投げが良いです。
二択を受ける側のため、当然投げも受けますので、雲手投げ抜けもアリです(というかセットで入れましょう)。
6P+K → 3P+Gなど。特にアキラの場合簡単な3P+Gを多用する傾向にあるので上手く効きます。
この際、白本等では「雲手ガード投げ抜け」を勧めた記述がありますが、雲手が漏れた時点で
よっぽど重い技じゃないとガード出来ないので私としては使っていません。
また、雲手投げ抜けを入れておくと、雲手が取れた場合その方向の投げが暴発します。
先に書いた場合は3P+Gですがそのままコンボに行けば良いだけですので、頑張って目視してKを
入れるより簡単にダメージを取れます(勿論偏ると投げ抜け入れられますので調整が必要です)
・エスケープ
明示された情報はありませんが、パイは若干エスケープ性能が良いとされています(細身だから?)。
3Kのガード時、結構な技がエスケープで間に合いますので、避け確が取れたらK→PPKを狙っていきましょう。
調子に乗ると投げられますのでこれもバランスよく。
以上が主な立ち回りになります。
強キャラと違って「押し付ける」行動は基本的に出来ませんので色々使い分けが必要ですが、
テクニカルな操作が楽しい人にはお勧めかなと思います。
■6.3tb(VF)固有のシチュエーションについて
ここまででは大枠の操作を説明しましたが、以後固有の操作を列挙していきます。
・よろけ(相手)
一般的な二択シチュエーションです。投げが強いので6:4で投げに行くぐらいの方が
相手が怖がってくれるので投げ分けしつつ投げ優先でOKです。
ここで3tbの一般的な「中段と投げの二択」に使える技が無いので工夫が必要です。
二択における打撃は、回復が遅い人には9KK、K(→PPK)が良いですが9KKは距離で安定しないので
近距離に限定してください。
通常よろけから最速回復してもしゃがんでの投げ回避は出来ませんので、もう全部投げでも
良いじゃんと思うかもしれませんが、上級者は回復→下段P等で疑似的にしゃがみ状態を生んで
投げスカを誘発してきます。
その場合、よろけからさらに3Kを振ることで2Pを潰し再度よろけを作ることが出来ます。
対上級者には積極的に狙ってください。
(ウルフやジェフリーなどPが遅いキャラには良く効きますが、カゲなどPが速いキャラには割り込まれますので
バランス良く。)
よろけ自体が3Kからしか発生しませんので、相手の心理状態を推し量りつつ、3K → よろけ → PPバリエーションからの3K → ・・・
と主導権を続けて取ることも可能ですが、3Kが14fであること常に念頭に置いてください。(上級者は肘/膝で割り込んできます)
・蹴り起き(上段)ガード時
K、9KK・・・は確定しません。投げを中心に組み立てます。
・蹴り起き(下段)ガード時
26Pしか確定しません。これも一応理論上9KKが入るのですが、先述の通り確定しません。
26Pを当てた後(NHで-2)の行動で改めて読み合いが基本になります。
しゃがみ投げは上級者はしゃがみガード投げ抜けを確実に入れてきますのでまず入りません。
最大まで遅らせてしゃがみ投げに行くか、ファジー後の上段投げという選択肢はあります。
・よろけ(自分)
軽量級Pの生かしどころになるため、最速回復からPPP暴れという選択肢が出来ます。
膝には勝てますが肘には勝てないので、相手によって使い分けましょう。
ここでも強い中段が無いため大きい逆二択(投げ読みのハイリスクハイリターン)が取れないので、
他キャラとは異なる振る舞いが必要になります。
※最上級者が一部行っているよろけ回復無しからの小ジャンプKが投げ読み時の選択としてありますが、
相当練習しないと難しいと思います・・・。(二択の投げ回避+PPP確定)
・起き攻め(自分)
パイ固有の操作でいうと、9Kからの裏回りがあります。
66P+Gでダウンを取った後などに積極的に狙いましょう。
(ダウンを取った後、密着して9K、頭方向にエスケープ)
一般的な裏回りは他のキャラと変わりませんので、割愛します(2K起点がメイン)。
重ねる技ですが、3Kぐらいしかありませんので仕方なく3Kを打つことにはなると思いますが、
横転が見えたら1K+Gで拾いに行くのもありです。
例外的に9Pがあります。下段蹴り起きをスカして入るとPPKorPPPKが確定しますので美味しいのですが、
見てから対応出来る技ですので、多用せず要所で使いましょう。先述の通り、ガードされられれば十分です。
・起き攻め(相手)
雲手でアキラの中段(崩拳含む)とカイコの重ね二択を両方潰せるという利点があります。
勿論ミドルとか鉄山を重ねられるとどうしようも無いのですが、他キャラと違う明確な利点ですので
要所で使いましょう。
ひとまず以上となります。
キャラ対とか書く気が出たら続きます。